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東京高等裁判所 昭和61年(行コ)5号 判決

一 被控訴人静岡県に対する控訴人の本訴請求は、被控訴人静岡県の施行する静岡県静清土地区画整理事業につき設置された土地区画整理審議会が昭和五九年一二月二四日に原判決別紙第一ないし第七記載の各仮換地変更指定に関する議案についてした賛成の議決(以下「本件議決」という。)が無効であることの確認(予備的にその取消し)を求めるものであるが、以下、右請求に係る訴えの適否について判断する。

1 土地区画整理法三条三項の規定により都道府県又は市町村が土地区画整理事業を施行する場合には、同法五六条一項により、その土地区画整理事業ごとに都道府県又は市町村に土地区画整理審議会を置くものとされている。

2 そして、同法五七条、五六条三項によれば、土地区画整理審議会は、一〇人から五〇人までの範囲内において、政令で定める基準に従って施行規程で定める数の委員をもって組織され、換地計画、仮換地の指定及び減価、補償金の交付に関する事項について、同法の定める権限を行うものとされている。

3 同法九八条三項は、土地区画整理事業の施行者である都道府県又は市町村等が仮換地を指定し、仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地もしくはその部分を指定しようとする場合においては、あらかじめその指定について土地区画整理審議会の意見を聞かなければならない旨を規定している。

4 しかし、仮換地の指定(変更指定を含む。以下同じ。)は、施行者が土地区画整理審議会から答申のあった意見を参考として最終的な処分案を決定した上、仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知して行うことにより、はじめて対外的に行政処分として成立し、右通知に係る仮換地の指定の効力発生の日から同法九九条所定の法的効果が発生するのである(同法九八条、九九条参照。)。

5 以上に検討したところによれば、同法九八条三項の規定により施行者から仮換地の指定についてあらかじめ意見を求められた土地区画整理審議会が、施行者の提出した原案を議題として審議し、出席委員の票決により原案に賛成する旨の議決をしたとしても、右議決は、施行者に対して答申すべき土地区画整理審議会の合議制機関としての意見を決定したにとどまり、もとより対外的には何らの法的効果も生ずるものではないし、また、右議決に係る土地区画整理審議会の意見が施行者に答申されたとしても、右議決及びその答申は、施行者が仮換地の指定をするについての手続的な前提要件をなす行政庁の内部的行為ないし行政機関相互間の行為にすぎず、それ自体としては直接私人の権利義務その他法律上の地位に影響を及ぼすものではないから、抗告訴訟の対象となる行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に該当しないものといわなければならない。

したがって、被控訴人静岡県に対し本件議決の無効確認(予備的にその取消し)を求める控訴人の訴えは不適法であるから、これを却下すべきである。

(柳川 近藤 林)

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